それでは、「既存の有限会社はどうなるのか?」ですが、既存の有限会社もそのまま存続することとなります。法律上は「特例有限会社」として存続することになります。
「特例有限会社」とは、商号中に有限会社という文字を残しているものの、新会社法の規律はもちろん、従来の有限会社法の規律も適用される、新会社法上の株式会社です。
「特例有限会社」については、法改正後も、そのままにしておいても基本的には何ら問題はありません。
なお、今回の改正法では、上記「特例有限会社」から株式会社に変更する手続を創設しています。この手続により株式会社に鞍替えすることができます。
<特例有限会社から株式会社への商号変更手続>
1.株主総会決議で定款を変更
「●●●●有限会社」の商号を、「●●●●株式会社」に変更します。株主総会を開催して定款変更決議をします。
最低資本金制度が撤廃されたため増資は必要ありません。
2.特例有限会社については解散の登記、株式会社については設立の登記をする
添付書面は以下のとおりです。
(1)変更後の定款
(2)株主総会議事録
なお、この設立の登記と解散の登記は同時に申請する必要があります。
この手続は、会社の商号を変更して新たな気分で経営着手する場合などに適していると考えられます。ただ、株式会社変更に伴う「商号」変更などに伴う経費などを考慮しておく必要があります。