先日、私が所属している成年後見センターリーガルサポート東京支部のビデオ研修がありました。
1年以上前に当ブログに「後見制度支援信託」という題名で記載した内容の続きです。
親族後見人(息子、娘、甥、姪などの親族が後見人に就任すること)の被後見人本人財産の横領金額がすごいことになっているのでどうしたらいいかという喫緊の課題に対して、ほとんどの財産を信託銀行に信託させ、簡単に引き出せないようにし、後見人に若干の手元金のみを管理させ、本人の財産の侵害をなるべく防ぐというのが後見制度支援信託だという説明をしました。
東京家裁判事からの制度趣旨、運用の説明がなされ、続いてリーガルサポートの支援信託チームが実際にモデルケースとして受託した案件についての説明がなされました。
基本的に、金銭財産が中心になる場合で、本人の身上監護の面での安定性が担保されているのであれば、成年後見制度支援信託の活用ができるという判断になるようで、我々が、親族後見人と一緒に複数後見人として後見人になり、6ヶ月程度の期間で様々な調査をして、家裁に「支援信託の相当、不相当」を判断することになるということです。信託相当となれば財産を信託し我々が後見人を辞任して、親族後見人が後見業務を継続するという流れになるようです。
その他、遺言書の有無、今後親族が後見業務をすることの適性などの判断も要求されるようです。
何か問題が生じると制度が複雑になり社会の監視の目が厳しくなるのが世の常ですが、この制度はちょっと複雑な感じがします。
なお、この制度は親族の横領対策だそうですが、専門家への対策も別に検討されているとの話を聞きました。