法定(任意)後見されている本人(被後見人)が死亡すると、死後事務の仕事は別として、法律上後見人の代理権は消滅します。平たく言うと主要な財産管理の仕事が終わるということになります。
そこで報酬付与の申立をします。「一定の期間につき後見業務を行ったので本人の財産の中からいくら報酬をもらってもよろしいでしょうか?」と裁判所にお伺いをたてる仕事です。
これをしないで自分で勝手に「月額にしてだいたい何万円の仕事をしたから、○年として計算すると○○円になる。では報酬をいただきましょう。」こうやって本人の口座からお金を下ろしたら業務上横領等になります。
あくまでも家庭裁判所からの公平な審判を根拠としてはじめて報酬を受領することができます。
本件申立の際に、前回の財産から今回の財産についての増減等が分かる財産目録、その増減につき具体的に何に利用したかを明白にさせる収支状況報告書、預金通帳のコピーを提出します。金額により領収書も添付します。そして後見事務報告書や業務日誌などの報告文書も出します。
数週間後、報酬付与の申立についての審判書が到達します。通常、紙切れ1枚です。「審判・・・申立人に金○○万円を与える。」
この金額を見てどう判断するかは、その後見業務をやった人ではないと何とも言えないと思います。
この報酬付与の申立ひとつをとっても、正直、結構手間がかかる作業です。仕事が終わってもさらに申立書類を作成、提出しないと報酬はもらえません。
しかし、何ともいえない充実感を感じることがあるのも事実です。