会社設立と電子定款認証1

会社を設立する際、まず行うのは、発起人からの詳細な聞き取り調査です。どのような会社を設立したいのか、将来的にどのような事業展開を考えているかなどを聞きます。会社設立については機械的な作業になりがちですが、私は、会社を設立する方の業界をとりまく環境なども教えてもらったりしています。こうすることで、会社設立の意思も確認できるからです。
この聞き取り調査で、商号、目的等をだいたい決定してもらい、定款作成のめどをたてます。そして作成した定款を依頼者の方に見せる場合もありますが、商号、目的などを確認する程度で済む時もあります。
ここまでがひと山です。ここから次の山が待っています。
定款の作成が終わると、公証人に定款の認証をしてもらいます。事前に公証人に対し定款の原案を送ります。公証人が定款の内容を確認し、修正部分の指摘を受けます。この修正は、公証役場により様々な指摘をしてきます。ある公証役場では、○条の末尾を「とする。」にしてください、と指示があったので、修正をしました。これで定款は完璧だと考え、その次の会社設立の定款認証の際にその定款を利用したところ、全く違う部分の修正指示を受けたりとまちまちです。
以上の修正でOKが出ると、いよいよ「電子定款認証」をします。
作成した定款をPDF文書にして電子署名を付与し、電子定款の認証嘱託手続の申請をして公証役場に定款を送信します。
公証役場で認証が終わるとパソコンに「公文書の作成が完了しました。」という通知が来ます。通知後、公証役場に行き、公証人の定款認証手数料と定款の謄本代の52,000円程度を払います。紙で定款の認証をすると印紙代4万円がかかりますが、電子認証をすると、この4万円が不要です。
電子認証が普及してきているせいか、あまり得した気分にならないというのが私の所感ですが、4万円は大きいと思います。

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