6/18の改正貸金業法の総量規制導入により、借り入れできない人が生じるという話をしました。
そもそも借りすぎ貸しすぎにならないようにすることで多重債務者をなくすことが法改正の目的でしたが、困った問題が指摘されています。
所得が低い方で、収入が入った時にきちんと業者に返済して、今まで返済が遅れたことがない方がいます。このような人たちに対し、改正法に基づく運用により「年収が低いから改正法施行後は一切借入できない。」となってしまっているようです。これは突き詰めると「低所得者の方は生活もできなくなる。」ということになってしまいます。死活問題です。
低所得の方は担保不要の消費者金融からの借入に頼っているのが現状で、残念ながら消費者金融等の業者に生活全般を支えてもらっているのが現状です。
この状態を打破するためには、それらの人たちが現在の職を辞して収入の高い職業に転職するか、自営であれば業績を向上させるかしなければなりません。しかし、実際、この時代に収入を増やすということは難しいです。だからまずはじめに無駄遣いをなくす等の抜本的な生活改善が必要になると思います。これも言うのは簡単ですが実際にやるとなると難しいと思います。しかも、低所得者の方の生活を改善するといっても限界があります。切りつめられる余地はあまりないと思います。
「法改正により多重債務者をなくす!」これは非常に理想的で正義感に満ちあふれた考えで喜ばしいことですが、現実問題として、消費者金融なくしては生活できない低所得の方の存在を考えると、今後、さらなる法改正により、低所得者に対する借入規制を緩和することも一考に値するのかもしれません。