相続手続は楽になるか 3

5月からはじまった「法定相続情報証明制度」。

我々司法書士は、相続登記等、司法書士が取り扱うことができる業務を正式に受託した際には、職務上請求書1号様式という書類で、依頼者の関係戸籍や住民票を取得することができます。

この5月、「法定相続情報証明制度」が始まる前後に、私は、この「法定相続情報証明書」を法務局から出してもらうためだけに、職務上請求書1号様式が利用できるのか?という大きな疑問を解消しきれず、東京司法書士会に照会しました。

回答は、職務上請求書の使用可能ということで、通達文書まで出たとのことでした。その文書も確認しました。

しかし、ここへ来て法務省、法務局が、各区市町村に対し、法定相続情報証明書の取得のみのための職務上請求書1号様式の利用は認めない趣旨の取り扱いを指導しているとの情報が東京司法書士会から入ってきました。ちなみに、これは司法書士会だけに限ったことではないようです。

今までの原則を貫くと、相続登記など実際の業務を正式にお願いされた時だけに職務上請求書の利用が認められている高度な厳格性を貫けば、相続登記はお願いされているかわからないのに、戸籍や住民票だけでも職務上請求書を利用できるという考えは、整合性がとれていないと指摘されればそうだろう、と私は考えました。

まだ実際に法定相続情報証明書の発行はしてもらっていませんが、これから、資格者団体と法務省、法務局との法定相続情報証明制度の新たな取り決めに関する推移を見守りながら、安易な職務上請求書の利用をしないことが重要になりましょう。

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