未成年者と親権者の遺産分割協議
父が亡くなり、母と2人の未成年者がその相続人になりました。父の不動産を相続する名義変更の手続が必要になりました。
家庭裁判所で、子らそれぞれに特別代理人を選任し、遺産分割協議を無事に済ませました。そこで、特別代理人の選任審判書等を添付して、母名義に不動産の相続登記(名義変更)をすることになりました。
上述の選任審判書、母とその特別代理人たちで行った遺産分割協議書、母と特別代理人の印鑑証明書、戸籍等を添付して登記を申請すれば登記は無事に完了しますが、このたび自分なりに問題点を感じました。
特別代理人の選任審判申立の際、あらかじめ、「このような遺産分割の協議内容です。」という形で遺産分割協議書の案を提出しますが、登記を申請する段階では、その案が家庭裁判所で承認されましたなどという証明書が出るわけではありません。単に特別代理人を選任したとの選任審判書が出るだけです。
関係者全員が共謀のうえ、特別代理人選任審判申立の際と登記申請の際の協議内容の異なる協議書を出してしまえば、家裁で承認された協議内容と異なる虚偽の登記がなされてしまうのではないか、と考えてしまいました。
特別代理人の選任審判書に、申立時の遺産分割協議案が合わさっていたり、何らかの確認ができるようになっていれば、より真正な登記ができるのに、と考えました。