認知症高齢者の方の親族からの相談を受け、後見開始の申立をしてきました。家庭裁判所の後見係に申立をしました。
相談時、まずはじめに?何のために後見制度を利用したいのか?本当に後見制度を利用するケースなのかどうかをじっくり聴取、確認し、?後見制度を利用した際にしてはいけないことを説明します。後見人=認知症等本人の後押しをする→これは正しいですが、この後、後見人が本人の財産を預かる→それは後見人が後見人の用途で自由に使える、と考える方がおられるようですが、そうではありません。後見人が本人の財産を自由に運用することはできません。それをしたら業務上横領です。本人の財産は本人のものです。親子でも同じです。原則として本人の財産は本人のためだけに使われます。この後見制度の基本的な考え方をしっかり説明した上で、利用するのであれば申立支援をするということになります。
さて、いざ申立となると、申立書類を作成し、かなりの関係書類をコピーで添付する必要があり、一般の方が独力で申立をすることには困難が伴うと思います。
申立書類を作成したら家裁に電話で面談日の予約を入れます。面談日に家裁に行くと、家裁の小さな審尋室に通されます。審尋室で裁判所の参与員という方が申立書類を見ながら本人の状況、財産等の確認の質問をしてきます。今回の申立では、本人の子が後見人候補者だったので、通常、司法書士は審尋室に入れないと考えておりましたが、今回の申立先の裁判所では「書類作成者ということで事情が分かっている方なので同席してください。」という形で入室を許可されました。
審尋室の中で依頼者の方は平気な顔で質問に答えておられたようでしたが、適宜私のほうからも参与員に事情説明をさせていただいたこともあり、質問が終わった時に安堵した感じでした。やはり裁判所の手続きということで緊張していたのでしょう。
この面談を即日面談といいますが、これで申立手続が終わります。これから後見開始の審判を待つことになります。