実例3(自己破産)

自己破産 女性Cさんの状況

20代女性。不遇な人生を歩んでいる。幼少期に親と死別。その後は親戚の家を転々とした。地方から東京に上京して働いたが学歴もないのでほとんど定職に就けないでいた。配偶者にも恵まれず、結婚、離婚を繰り返し、現在2人のシングルマザーであるものの、収入もなく児童手当等の公的扶助で生活していた。負債総額は200万円程度。まとまった収入がないので任意整理は不可能。

自己破産 受任そして借金問題解決へ

<初回相談>

当事務所のHPを見て、はじめから「自己破産の申立をお願いします。」と依頼が来た。収入と生活状況についての聴取をさせてもらったところ、生活保護受給以下の収入であったため、即座に「法テラス」利用による「自己破産申立」を検討した。
 

<定期面談:自己破産申立書類作成の共同作業>

本人は、自己破産の知識を持っているようであったが、当事務所に依頼した段階で全て申立が終わったような誤解をしていたようである。最初に事務所を訪問して以来、電話連絡がとれなくなってしまった。そこで何回か連絡をしてみた後に、当職が「このまま連絡が取れないのであれば辞任させていただいても良いですか?」と連絡を入れたところ、やっと連絡に応じた。
後日、申立書類作成のため数回事務所におこしいただいたが、当職が聴取をすると本人は泣いてばかりの状況になってしまった。(昔のことを思い出して泣いていたのではないか。)何とか申立書類を作成し地方裁判所へ申し立てる日を迎えることができた。
 

<法テラスでの審査>

法テラスで援助審査の後、援助決定が出た。費用は法テラスが出すことになるので、本人の費用負担はほとんどなかった。(後日、本人は法テラスが立て替えた費用を、月額5,000円程度の分割で償還することになる。)
 

<申立手続>

申立手続は3回地裁に行った。(裁判所の実務運用により異なる)

icon 申立のためA地裁破産係へ:特に問題はなかったものの、叔父に渡した数十万円のお金についての説明を求められ、詳細につき「上申書」を出すよう指示があった。
 
icon 破産審尋:裁判官の前で本人はひたすら泣いていたようであるが、何とか同時廃止をいただいた。
 
icon 免責審尋:審尋室に入ったが、一番はじめに呼び出され、1分もかからないうちに終わってしまった。免責許可決定も確定し、すべて無事に手続が終わった。

<その後の生活>

以前お世話になった方からアルバイトとして雇用され仕事に就くことができた。生活は安定してきたようである。
 

<事務所からのコメント>

女性の債務整理案件全般で言えることは、配偶者や親族が「働かない」「家に金を入れない」などが原因で、本人の生活が著しく害されている状況にあるということです。
親族間、夫婦間の問題なので一方だけに非があるかどうかは分かりませんが、ほとんどの案件で、本人が生活できない程の困窮を強いられている状況が伺えます。「それだったら働けばいいのではないか?」と安易な考えが浮かぶかもしれませんが、学歴もなく手に職もない女性の雇用先は限られています。非常に厳しい状況です。
本件も、自己破産申立で一時的には負債がなくなったものの、夫がいるわけでもなく、今後の生活の糧もなく、将来の行く末が心配になりますが、本人には頑張ってほしいものです。
 

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