家庭裁判所から就任の依頼があった後見案件や後見監督案件については、概ね1年に1度、「家庭裁判所に財産目録や収支状況報告書を提出し、財産状況を報告せよ」というお達しが来ます。家裁の書記官等はこれを「立件」というようで、しばしば会話に「立件する」「立件しない」という言葉が出てきます。
私の担当する案件についても本年度も家裁に財産目録等の報告をしております。財産目録には昨年と比較した本年度の預金口座の残額等の財産額を記載します。そして収支状況報告書では、「入院費」「社会保険料」などそれぞれの個別の項目にいくら使ったかを記載します。収支状況報告書の収支の差額は、財産目録で記載された1年間の収支の差額と同額になります。この数値に誤差があると家庭裁判所は必ずつっこみを入れてきます。
この財産目録や収支状況報告書を提出すると、まずはじめに裁判所書記官が受付した後、参与員という臨時職員なる方が財産目録と収支状況報告書の数値をチェックするようです。財産目録や収支状況報告書の数値が合わなかったり、領収書と引落金額に齟齬があると参与員から直接電話がかかってきます。
先日、私の後見監督案件でも「入院費が二重に引き落とされている」という指摘を受け、後見人に確認したところ、誤って引き落としてしまったことが分かりました。
参与員は、被後見人の財産を何の用途に使ったかについてはほとんど突っ込みはしないようですが、領収書と引落金額との整合性はよく見ているようです。
どちらにしてもしっかり財産を管理することが求められます。