後見人は被後見人の財産を現実に管理しますが、その後見人の財産管理等の仕事全般を監督する人を就任させる場合があります。その監督する人を「後見監督人」と言います。親族等が家庭裁判所に請求することによって就任させることもできますが、家庭裁判所が職権で就任させることもできます。
人の家庭にいきなり「赤の他人」である後見人が入り込むことに無理がある場合が多々あります。そのような場合は後見される人本人の息子や娘を後見人に就任させるケースがあります。これのほうが比較的スムースに後見制度を利用することができます。
しかし、息子や娘などの親族が後見人として財産管理をすると、ややもすると甘えが出ます。「お父さんの財産だからちょっと使っても大丈夫だ。」とか「お母さんの財産だからお母さんがしっかりしている時に使っても良いか相談できていたら多分使っても良いと言うだろう。・・・」
このように親族に都合の良い財産管理がなされてしまう危険性があります。あくまでも後見される人の利益になるように財産を管理、保全、運用するのが後見制度の趣旨であります。親族に都合の良い財産管理は防がなくてはいけません。
そこで、親族を後見人に就任させたケースでは、家庭裁判所が職権で、我々資格者を後見監督人に就職させ、被後見人の財産管理を監督させる場合があります。
先日家裁から、新件で「後見監督人」をお願いできないかという打診が来ました。今、他にも後見監督人として担当している案件もあるので、新しい案件を受託するとある程度の負担になると思いますが、就任を受諾するつもりです。
家庭裁判所の後見人、後見監督人就任依頼による後見関係の職務は純粋な公共の仕事です。営業、セールス、ビジネスの側面はなく、世のため人のために働くという仕事です。面倒な仕事ですがやりがいがあると思います。