バーンアウト

昨日、私が後見している方が入所する福祉施設で、来期以降の入所契約の更新に関する説明会がありました。契約に関する説明の他に、福祉業界全般について様々なお話を聞くことができました。気になった話題を紹介させていただきます。
今、介護施設の現場で働く人が次々に辞めていき、職員が定着しないという社会問題があるのはご存じだと思います。福祉の現場での仕事は、「きつい」「重労働」「給料安くて生活できない、働いても将来設計がたたない・・・。」改めて切実な悲鳴を聞きました。
そんな福祉現場で働く人たちは、20代前半の若年層がほとんどで、みんな「人のために役立ちたい!」という純真な志を持って業界に入ってくるそうです。しかし、そういう若い職員はまだ「生活力」もなく、社会経験の少ない子供であるがゆえ、入所者に対する仕事に不慣れなことも多く、入所者の親族から「辞めろ」「バカやろう」などという罵声を浴びせられることがあるようです。今時の子供は親にも怒られたことがなく、罵声を浴びせられること自体に全く免疫がないのが実情で、浴びせられた子供の心に大きな傷跡を残してしまうそうです。そんな若い職員は、挙げ句の果て「こんなに一生懸命やってるのに認められない・・・。」という気持ちになってしまうようです。この精神状態が続くと、「バーンアウト」いわゆる「燃え尽き症候群」になり、職場に来ることや職場にいることも苦痛になり、鬱状態などになり退職していくことになるとのことです。
お話してくださったその施設の施設長は、「どうか、これら若年の職員を温かく見守ってあげてください。」と出席者全員にお願いしていました。
福祉施設の労働環境が本当に良くなり職員が定着するようになるため、私たち福祉業界以外の関係者も、施設の若年職員を温かく見守り、社会全体で育てあげていくという意識喚起が必要だと感じました。
 

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